無能な為政者がもたらす不幸2010/05/14 12:51

リーダーシップの低さというよりは欠落を指摘されて久しい鳩山首相だが、支持率の急落に伴い受け答えも雑かつ意固地になって来た。さすがに鈍感な鳩山氏も、国民に愛想を尽かされていることにようやく気付いたのだろうが、もはや政権末期に見られる典型的な負のサイクルに陥っていると見える。
しかし、かと言って鳩山首相が退陣すれば済む話ではなく、この民主党政権の実態を見極めなければ泥沼からの出口は見えて来ない。
そもそも、現政権が小沢傀儡政権として発足したことは間違いないのだが、言いなりになるはずの鳩山氏が、何の思慮も根回しも抜きで奇妙な余裕と自信をもって中途半端に振る舞ったことから歯車が狂い出したのではないか。
加えて、検察疑惑を完全に無視して居座り続ける小沢氏と反小沢派の確執により党内の意思統一も図れず、またレベルの低いブレインからは現状打開の妙案も得られず、政権の軸が無いどころか方向性すら定まらないまま漫然と政権運営を続けて来たのではないか。
いずれにせよ、政権を取った途端に権力維持が目標にすり替わり、民主政権を国民がなぜ誕生させたのかがゼロクリアされては堪らない。
ここ数年で首相は猫の目のように替わったが、およそ日本の未来を命掛けで考える人物など皆無だった。歴史的政権交代を経てもなお、この体たらくとは、ほとんどの政治家が国家の大計を論じる理念を持ち合わせていないことの証明だろう。
そして、この間に国民の生活は苦しくなり続け、職を得られない若者が巷に溢れ、何よりも国際的地位・国力の急落は目を覆うばかりだ。
この国を三流国に貶めた歴代の無能な為政者の負うべき責任はとてつもなく重い。