政治主導の履き違え2011/05/19 13:06

福島原発事故発生から2ヶ月以上が経過し、依然として収束の目処すら立たない状況にもかかわらず、いつまで経っても政府としての画期的緊急対策が打ち出されない中、ここに来て俄かに浮上したのは電力会社の発送分離議論だ。
東電と役人に任せきりで当事者意識が皆無な政府が、ようやく事態収束を主導する気になったのかと思いきや、出て来た話が積年の発送分離議論とは、情けなくて涙が出る。いったい、この人たちは、この未曽有の災害からの一刻も早い復興の実現につき、自分たちの立場・役割を理解していのだろうか?

もはや、被災者・作業員・環境汚染拡大防止への対応は一刻の猶予も許されない状況に陥っていると言うのに、東電・役人、さらに政府までもが体面と責任逃れを第一義とし、机上の空論を弄ぶばかりでは、明るい展望など見えて来るはずもない。
メルトダウンの事実ひとつを認めるのに2ヶ月も掛ける様な会社と監督官庁から一刻も早く現場指揮権を取り上げ、日本中の英知を結集した緊張感ある対応体制に再編することこそ、本当の政治主導なのではないか。
それが出来ないのであれば、直ちに政権を返上する義務が菅首相にあるのは論を待たない。