再生可能エネルギー固定価格買取制度の制度破綻2014/10/28 16:28

再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が、既に制度破綻しているそうな。
この制度はもちろん日本独自のものではなく、むしろ欧州の制度を真似したに過ぎず、しかも、2012年7月に発効する時点では、先行していたドイツが制度上の問題が明らかになったことから全量買取制度の廃止を打ち出していた。 

つまり、確実に制度破綻することが解っていながら、何の工夫もなく不完全な制度を施行したのだから、ある意味破綻するのは不思議なことでもないのだろう。
だが、この買取制度とは、そもそも政府や電力会社の懐が痛むものではなく、買い取り金額は全額国民が負担するという代物である。さらに破綻したからと言って、今後の負担が無くなる訳でもなく、国民は制度破綻のツケをこの先も払い続けなくてはならない。 もちろん、福島第一原発事故を契機に、国民は再生エネルギーへの転換を望んだし、その為のある程度の負担は覚悟していた。しかし、それは政府や役人に日本のエネルギーの未来を、国民の負担を含めて白紙委任したということでは決してない。
さらに、買取制度が破綻した結果、ただでさえ普及率の低い日本での再生エネルギー展開にブレーキが掛かることは確実だし、原発依存から脱却する未来が見えなくなってしまうことが懸念される。

なぜ、ここまで無責任な仕事が出来るのか?
なぜ、誰一人として日本のエネルギー政策のあるべき姿を描けないのか?
なぜ、目先の電力会社の利益ばかりに配慮するのか?
それはおそらく、浅墓にも「やっぱり原発が必要」という結論に持って行くシナリオを描いている勢力が確実に居るということと無関係ではない。

もっとも、本来それらを主導する役割の経産相が、女性活用人気取り人選の結果不祥事発覚で辞任、さらに代打で選んだ当り障りない筈の人選でもスキャンダル発覚では、政府が真剣にエネルギー政策を考えているとは到底思えないが。

安倍首相の靖国参拝2013/12/26 17:45

この人には、一国の代表者として負うべき責任への自覚が果たして有るのだろうか?
或いは、「外交」の戦略と駆け引きについての初歩的な知識をお持ちなのだろうか?
このタイミングで日本国首相が7年ぶりに靖国参拝を強行することの意味を、果たして客観的に理解しているのだろうか?

ご自身の信念を持ち、それを曲げないのは勝手だが、国政で数の力を手に入れた途端に、国益は二の次で子供のように頑固に好き勝手に振舞うのであれば、一国の首相を任せるに足る器ではないと言わざるを得ない。 首相は、外交を理解したプロ中のプロに任せたいのであって、国家戦略の視点を持てない「子供」には荷が重過ぎる。
自ら主張したアベノミクスの効果が多少なりとも現れ始め、景気回復と共に経済面での国際的発言力が回復し始めた今、それを背景に慎重に進めれば反日一辺倒の中国・韓国の譲歩を引き出すことも可能だった。 又、辺野古移転問題もようやく出口が見え、日米同盟の強化を進める材料が整いつつあった。 或いは、南スーダンの韓国軍への弾薬提供を日韓関係の改善のきっかけにすることも可能だったかも知れない。
しかし、今日の安倍首相の行動が、これら全てを無に帰してしまった。
このタイミングで靖国参拝とは、ある意味自らアベノミクスの成果を否定する行為であり、いったい何を考えているのか全く理解できない。
中国・韓国の偏狭な反日行動と、これでは同じレベルではないか。
日本は、反日を超越した大人の態度をとり続けるべきであり、そこにしか東アジアの未来は無い。

何の秘密の保護を急いでいるのか?2013/12/05 10:34

自民党に安定多数議席を与えた時から、また昔の様に数の力を盾に傍若無人な国会運営をするであろうことは予想できたが、正に今、特定秘密保護法案なるものが強行採決されようとしている。
何故下野することになったかを、驕れる自民党はもうすっかり忘れてしまった様で、結局本質は何も変わっていないことが証明された形だ。
いや、むしろ昔の自民党にはリベラル派が存在していたが、今や鷹派のみとなってしまい自浄能力を失った今の自民党は、より危険な党になったと言えるだろう。

そんな自民党(および官僚)は何故この法案を無理やり拙速に成立させようとしているのだろう?
考え得るのは、国民に知られたくない重大な秘密をこれまで隠し続けて来たが、隠し切れなくなってきた為に「国家機密」という蓋を早く被せたいと思っているのではないか、ということだ。
それは、原発政策に関わるものなのではないかという気がする。
福島第一原発事故が依然として収束の目処が立たず、原発不要論が力を増し、無責任な原発輸出志向への批判が強まる中、原子力村の住民たちがこれまで実りを享受して来た利権構造や不正がもし明らかになれば、政権にとって致命的なダメージだろう。
これを何としても防ぎたいと考えていても不思議は無い。

汚染水問題-思考停止に陥っているのか?2013/08/21 08:26

二年半前に、原発事故対応は国家プロジェクトを直ちに立ち上げるべきと主張した。東電の隠蔽体質や事なかれ主義では、この国家的危機に対処出来るはずもないと思ったからだ。
しかし、結局、国家プロジェクトが立ち上がることはなく、政府は全てを東電に押し付け、危機対応としては絶望的な二年半という時間が流れ、この間に膨大な汚染水が製造され続けることとなった。
ここに来て、無策の報い、東電任せの破綻がようやく現実のものとなり、慌てて政府の介入を宣言したが、これまた膨大な負債を生成し続けている政府に財源の保証はなく、単なるリップサービスに聞こえてしまう。
つまるところ、東電の声明や国民にビジョンを示せない政府の声明には、もはや何の説得力も無いということ。
この期に及んでも会社の存続を第一義とする者、利権まみれで福島原発事故の収束に何の努力もして来なかったにも関わらず、原発輸出にのみ関心が有る者の言葉に、どれだけの説得力が有るというのだろう。

今、直ちにしなくては取り返しのつかないことになってしまうのは、汚染水の処理ではなく、汚染源に流入し続ける地下水の遮断である。原子炉建屋周辺を二年掛けて高価な凍土壁で覆うことなど、どうでも良い。東電敷地の手前で地下水をバイパスさせる工事の是非につき、マスコミすら何も触れないのは、いったいどうしたことだろう。
こんなことは、誰が考えても直ぐに判ることなのに、福島原発事故から二年半が経過し、日本の最高の頭脳を持つ方々は危機慣れで思考停止してしまったのだろうか? 
事故当初に比べ、放射能汚染の危機は拡大し続けているというのに。

語るに落ちた2012/11/14 11:27

輿石幹事長が、「どじょうと違い、澄んだ水でないと金魚が生きられない」と言ったそうな。
正に語るに落ちたとは、このこと。
澄んだ水の中でしか生きられない金魚様たちになど、この難局を乗り切る政権を任せられないということ。
結局、国家・国民のことなどそっちのけで、民主党の存命しか頭にないことの証明だろう。

即刻、政権を返上すべし。

政治主導の履き違え2011/05/19 13:06

福島原発事故発生から2ヶ月以上が経過し、依然として収束の目処すら立たない状況にもかかわらず、いつまで経っても政府としての画期的緊急対策が打ち出されない中、ここに来て俄かに浮上したのは電力会社の発送分離議論だ。
東電と役人に任せきりで当事者意識が皆無な政府が、ようやく事態収束を主導する気になったのかと思いきや、出て来た話が積年の発送分離議論とは、情けなくて涙が出る。いったい、この人たちは、この未曽有の災害からの一刻も早い復興の実現につき、自分たちの立場・役割を理解していのだろうか?

もはや、被災者・作業員・環境汚染拡大防止への対応は一刻の猶予も許されない状況に陥っていると言うのに、東電・役人、さらに政府までもが体面と責任逃れを第一義とし、机上の空論を弄ぶばかりでは、明るい展望など見えて来るはずもない。
メルトダウンの事実ひとつを認めるのに2ヶ月も掛ける様な会社と監督官庁から一刻も早く現場指揮権を取り上げ、日本中の英知を結集した緊張感ある対応体制に再編することこそ、本当の政治主導なのではないか。
それが出来ないのであれば、直ちに政権を返上する義務が菅首相にあるのは論を待たない。

選択肢がなくなった2010/11/24 07:54

利権に固められた族議員の天下だった自民政権。緊張感を欠くマンネリ政治から失われた十年を生み出した自民政権。そんな「暗黒時代」から、国民が主人公の政治にやっと変わるとの淡い期待を集めて誕生した民主政権だったが、最早それが全くの幻想だったことが明らかになってしまった。
なにしろ、首脳会談で相手の目をまともに見ることも出来ずに用意した台詞を読み上げるだけの首相を筆頭に、軽率失言大臣のオンパレードでは、民主党は所詮この国の政権を任せるに足りない「素人集団」だと言わざるを得ないではないか。
あえて自民との違いを挙げるなら、この素人ぶりだけで、有耶無耶にするやり方や居直り方など後ろ向きの技法は全く同じなのだから話にならない。
一方、周辺国にとっては児戯に等しい「政治ゴッコ」を続ける日本など正にネギを背負ったカモであり、ここぞとばかりに攻勢を強める中国、ロシア、北朝鮮は、逆に言えば外交の何たるかを熟知しているのだろう。
こんな状態がもう少しでも続けば取り返しがつかない程この国の主権が侵害されるまで事態は深刻なのだが、かと言って自民政権に戻せば良くなる保証などどこにも無いのだ。
「自民よりはマシ」のはずだった民主政権が、自民より酷かった訳で、我々にはもう究極の選択すら残されていない。

いったい誰の為の政権交代だったのか2010/09/06 13:13

「生活が大切、国民が第一」と声高に唱え、政権交代を実現させた民主党。
自民政権では実現すべくもない構造改革に取り組んだまでは良かったが、完遂するだけの実力もなく持て余し、成果も出せないまま首相と幹事長の金権スキャンダルが発覚、「クリーンな民主党に戻す為」と言って鳩山・小沢両氏が内閣から退き、その結果、菅政権が誕生したのは僅か3ヶ月前のことだ。
庶民からかけ離れた金銭感覚の首相と、限りなく起訴相当の疑惑を抱える小沢氏が退くことにより、昨年総選挙時のスローガンに戻るのかと思いきや、今度は国民そっちのけで党を二分した権力争いに夢中だ。
しかも、「クリーンにする」と言い放った鳩山氏自らが、舌の根も乾かぬ間に小沢氏を担ぎ上げたのだから、開いた口が塞がらない。
さらに、国民の圧倒的な小沢不支持にも関わらす、党内・党友の間では小沢支持が大勢を占める勢いだとか。
そして、国政選挙でもあるまいに、内輪の親分を決めるだけの為に政権与党党幹部がこぞって全国行脚をしている間にも、巷には失業者が溢れ、円高は収まらす、国力は低下し続けている。
まるで自民政権末期の光景を繰り返し見せられているかの様だ。

国民不在の政治を長年続け、永田町ロジックでしか物事を判断できなくなった自民党に国民が愛想をつかして民主政権を誕生させた事実を、民主党はもう忘れてしまったと言うのか。

いったい、何の為、誰の為の政権交代だったと言うのだろうか。

無能な為政者がもたらす不幸2010/05/14 12:51

リーダーシップの低さというよりは欠落を指摘されて久しい鳩山首相だが、支持率の急落に伴い受け答えも雑かつ意固地になって来た。さすがに鈍感な鳩山氏も、国民に愛想を尽かされていることにようやく気付いたのだろうが、もはや政権末期に見られる典型的な負のサイクルに陥っていると見える。
しかし、かと言って鳩山首相が退陣すれば済む話ではなく、この民主党政権の実態を見極めなければ泥沼からの出口は見えて来ない。
そもそも、現政権が小沢傀儡政権として発足したことは間違いないのだが、言いなりになるはずの鳩山氏が、何の思慮も根回しも抜きで奇妙な余裕と自信をもって中途半端に振る舞ったことから歯車が狂い出したのではないか。
加えて、検察疑惑を完全に無視して居座り続ける小沢氏と反小沢派の確執により党内の意思統一も図れず、またレベルの低いブレインからは現状打開の妙案も得られず、政権の軸が無いどころか方向性すら定まらないまま漫然と政権運営を続けて来たのではないか。
いずれにせよ、政権を取った途端に権力維持が目標にすり替わり、民主政権を国民がなぜ誕生させたのかがゼロクリアされては堪らない。
ここ数年で首相は猫の目のように替わったが、およそ日本の未来を命掛けで考える人物など皆無だった。歴史的政権交代を経てもなお、この体たらくとは、ほとんどの政治家が国家の大計を論じる理念を持ち合わせていないことの証明だろう。
そして、この間に国民の生活は苦しくなり続け、職を得られない若者が巷に溢れ、何よりも国際的地位・国力の急落は目を覆うばかりだ。
この国を三流国に貶めた歴代の無能な為政者の負うべき責任はとてつもなく重い。

宇宙人のままでは務まらない2010/04/02 20:13

いよいよ、混迷度合いが極まりつつある民主党。
そもそも、金権を指摘されても居直るばかりで何ら説明責任を果たそうとしない幹事長が君臨し続けることが異様なのだが、総選挙で公約した「利権政治からの脱却」を目指し、景気回復を阻害するリスクを犯してまで実施したはずの事業仕訳すら参院選目当てのバラまきで骨抜きになり、普天間移転では明確なビジョンも無いまま、移転先と米国の狭間で右往左往するばかり。他にも、経済用語すら理解していない財務相、亀井氏に好き勝手に振る舞われ一向に意思統一を図れない形ばかりの連立政権、幹事長の真似をしているのか違法献金を指摘されても居座り続ける国会議員など、枚挙に暇がない。
こうした事態にもかかわらず、現政権存亡の危機を認識した緊張感も自浄の動きも全く見られない民主党は、政権発足後一年経たずしてもはや末期的状況にあると言わざるを得ない。
何よりも今、決定的に欠けているのが、首相であり党首である鳩山氏のリーダーシップなのは衆目の一致するところだろう。
長年、自民党が続けて来た利権政治からの変革を求める国民が、鳩山氏の「宇宙人」ぷりに新たな政治の展開を期待して民主党を勝たせたとも言えるのだが、結局は人の良い世間知らずのボンボンに過ぎなかったと言うことなのか。そして、こんな「宇宙人」ではこの難局を乗り越えるのは到底無理であり、このミスマッチの放置が、この国に計り知れないダメージを与えるのは火を見るより明らかだ。
トレードマークの金色ネクタイにこだわる余裕があるのなら、もっと真剣にこの国の未来を考えてもらいたいものだ。

それにしても、自民政権だろうと民主政権だろうと、ことごとくこの国の将来を「他人事」としか考えない首相ばかりなのが悲しくてならない。